映画 亡国のイージス

が、そろそろ上映開始ということで。いっちょ見てまいります。仙石というおっさんには萌えますよ。熱血で純情で真っ直ぐで。如月行とのからみを見てやおいの楽しさを知ってしまった、そんな間違った読書体験。
あー。暑いから真面目な感想なんてかけやしねぇ。脳がゆだつよホント。




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ごきげんよう。何を見ておいでですの?」
「ああ、澤田か。……これなんだけど、なんだと思う?」
「地図ね。あら、しかもこの学校の地図じゃないの。このバッテンはなにかしら? 校庭の隅の辺り?」
「この地図はうちのクラスの木村が見つけたものだ。先日、彼女はこのバツがついているところを掘ったらしい」
「あら。それで? 何か見つかりまして?」
「タイムカプセルが出てきたと言っていた。木村のクラスメイトの」
「……それっておかしくありませんこと? 高校の校庭にタイムカプセルなんて。埋めるとしたら小学生や幼稚園くらいの年齢のはずでしょう」
「それも少し気になるところだがね。まぁ校庭といっても微妙に外れているからな。ここならぎりぎり敷地の外になる」
「……では何故、貴方はその地図をまじまじと眺めていらっしゃるの? その地図はもう用済みのはずでしょう?」
「もしかしたらこれは、ここの校庭の地図じゃないのかも知れないと思ってね。何か違和感のようなものがある。例えばこれ、倉庫の位置と体育館の縮尺がこの程度だとすると、今度は校舎との位置が微妙に合わなくなるんだ」
「……貴方がそういったものに興味を示すなんて意外だわ」
「そうか?」
「ええ、いつもなら『こんな下らないもの』と言って放ってしまうじゃない」
「報酬があるからな。割りに良い。少しは躍起にもなるさ」
「あら、そう……」
「澤田こそなにをしてるんだ。いつまでも私についていても面白いことなどないぞ? もう放課後だし、じきに外も暗くなる」
「その……、それ、私も手伝ってあげてもよろしくてよ?」
「なんだ。澤田こそ興味がなさそうなものだと思ったが」
「えっと……、あ、そ、そう。その報酬ってどのようなものかしら」
「たいしたものではないよ。食券を数十枚程度だ」
「う。……食券……ね」
「うん? 欲しくなったのか? それなら仕方がないな」
「え? え?」
「うん、そうだな。少し手伝ってもらうことにしよう。一人では調べも面倒ではあるし。バイト代は山分けで良いだろう?」
「あ、あの。いえ、そういうことじゃなくって。別に食券が欲しいというわけでは、」
「はは、意外と澤田も食い意地が張ってるんだな」
「あぅ……。もうそれで良いですわ……」

(続く)