小説 羅生門

羅生門・鼻 (新潮文庫)

羅生門・鼻 (新潮文庫)

こえー話だなぁ。
ときおりあるんです、いわゆるホラーと呼ばれるジャンルではないのに、そんじょそこらのホラーよりも怖い作品に出会うことって。作者に怖がらせるつもりがなかったとしても。
なんというか上手い例が浮かばないのですけど。きっとそれは恐怖というよりも、究極の嫌悪というとニュアンスは近いかも知れません。
あぁ、テニスの王子様なんかは読んでいてゾッとしますね。乙一なんかよりもよっぽど。あの作品は本当に気持ちが悪い。無邪気、つーのかキーワードなのかも。
はい、グズグズな感想でした。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「あ、良い所に小林さん。悪いんだけど、職員室から倉庫の鍵、借りてきてくれない? いまちょっと手が離せなくて」
「うん。良いよ」


「小林さん。一組の稲森さんから受け取らなくちゃいけない書類があるんだけど、これから職員会議があって急いでいるの。お願いできるかしら?」
「はい。分かりました」
「書類を預かったら、職員室の扉の窓に顔を出してくれれば良いから。私が席を立って受け取りに行くわ」


「悪いんだけどさ、小林。第一講義室でうちの部員がミーティング開いてるはずだから、ちょっと伝言頼めるか? すぐに来て欲しいって伝えるだけで良いんだけどさ」
「うん、分かった」


「あら、小林さん。ちょっとお尋ねしたいのですけど、スコップと巻尺ってどこにあるかご存知? 失礼ですけど、ご存知でしたら少しだけ御足労願いたいのですけれど……よろしいかしら?」
「うん。ちょっと待っててね」


「お。小林。うちわで扇いで。暑い」
「これで良い?」
「うんうん。あー、涼しー……」

 ……………

「……うわ、寝ちゃったの私? うわ、まだ仰いでるの!?」
「なんで驚いてるの?」
「いえ、まぁいつものことだわね。ありがと。涼しかったわ」


「あ、もうこんな時間だ。バイト行かなくちゃ」



「「「「おせーなー」」」」